長野・飯綱高原サミット開催「“まなびの旅”って、どんな旅?」
観光でもなく、出張でもなく…
心を動かし、つながりを生み出す、新しい旅のかたち。
2025年7月、私たちは長野県・飯綱高原で、1泊2日のサミットを実施しました。サミットは、「旅と学びの協議会」の会員のみが参加できるイベントで、産官学の参加会員が一堂に会し、次世代の「まなびの旅」の可能性を探る取り組みです。今回は第6期初めてのサミットということもあり、会員同士の交流も目的に、実施いたしました。
アスレチックでチームビルディング
最初のアクティビティは、飯綱高原の自然を舞台にした「フォレストアドベンチャー」でのチームビルディング。3〜4人のチームに分かれ、一人が“目隠し”をした状態で木の上のアスレチックにチームで挑むなど、なかなかスリリングな試みでした。

目が見えない中で、どのような言葉が相手に届くのか。
目隠しをしている人は、仲間からの言葉に完全に身を委ねるのか、自分でも限られた情報を取りにいくのか。
一致団結せざるを得ない環境下で、言葉の選び方、声のトーン、タイミングなど、全てが情報源となる極限のコミュニケーション。

そんな環境を乗り越えてゴールを達成した時、各チームの団結力は非常に強固なものになっていました。一見、遊びに見えるアクティビティですが、実は「信頼」「共感」「チームワーク」という、協働における本質を体感する、まなびにあふれた時間でした。

蕎麦打ち体験で味わう「つくる」喜び
次に挑戦したのは、「蕎麦打ち体験」。
粉を混ぜるところから始め、自分たちの手で蕎麦を一からつくっていきました。

少しずつ「蕎麦らしさ」が現れはじめた時の嬉しさ。
そして、自分たちで作った、出来立ての蕎麦の美味しさは、まさに格別。
それは、ただの「食事」ではなく、「ものを作り、味わう」体験そのもの。
普段何気なく口にしている蕎麦が、こんなにも手間と感謝にあふれていたのか…そんな気づきが、心と舌に染み渡るような時間でした。



ただ食べるだけではなく、つくる喜びと感謝を味わう。それも「まなびの旅」の大切な要素です。
戸隠神社で心を整える時間
そして1日目の最後は、戸隠神社へ。
緑に包まれた参道を歩いていると、不思議と会話も静まり、自然と内省的な気持ちになっていく…そんな「心を整える時間」でもありました。

木漏れ日が差し込む中、少し険しい坂もありましたが、それすらも気持ちよく感じられるほど、空気は澄みわたり、時間がゆっくりと流れていました。

この神聖な場所で、参加した理事3名による対談も実施。
「まなびの旅が持つ可能性とは?」
その問いに向き合った対談の様子は、改めて別の記事でお届けする予定ですので、楽しみにしていくださいね。

いいづな学園で子どもたちと共に学ぶ時間
2日目は、学校法人いいづな学園へ。
飯綱高原の美しい自然を存分に活かし、多様性を尊重し、自立した人を育てるこの学園で、私たちは生徒の皆さまと直接ふれあう貴重な時間を過ごしました。
午前中はこどもの森幼稚園で、子どもたちとどろんこ遊び。
最初は少し遠慮がちだった大人たちも、気づけば子どもたちと一緒に泥の池に飛び込み、どろんこになって大笑い。
普段は都会のオフィスで会議に出ているような人たちが、全身泥まみれになりながら笑う姿は、まるで童心に帰ったよう。泥の感触、子どもたちの笑い声、そして自然の香りを運ぶ風の匂い。

五感が研ぎ澄まされていると同時に、自然と心の鎧も外れていくような感覚を味わうことができました。
「人と自然と”今”を共有することで、まなぶ感性が研ぎ澄まされるのかもしれない」と、改めて気付かされるひとときでした。
「旅」とは何か?小学生/中学生との対話
午後は、いいづな学園グリーン・ヒルズ小学校/中学校の生徒たちと、「旅」について語り合う時間。
「旅って、なんだろう?」
「なぜ人は旅をするのか?」
そんな素朴で深い問いに、真剣に一緒に向き合いました。

本協議会の理事であり、ANAホールディングス株式会社上席執行役員の津田より、「旅」に関する講義も実施。

- 「旅」とはアンコンフォートゾーンに身を置くこと
- 「旅」と移動距離の関係性
- リアルな旅とバーチャルな旅から紐解く五感の重要性
- 旅するからこそ得られる一次情報の価値
簡単なようで、とても奥深い問いを前に、私たち参加者も改めて立ち止まり、考えさせられました。
「色々なお話を聞いて将来的に旅に行きたいと思った」
「五感がどれだけ重要なのかがわかった」
「旅は、日常をぶっ壊して未知の世界へ進んでいくということが印象に残った」
子どもたちの言葉は、どれもまっすぐで、私たちの心に響きました。
定義の難しい「旅」というテーマだからこそ、自由に、真剣に、語り合える時間は貴重です。
もしこの対話のひとときが、子どもたちの心にほんの少しでも“世界の広がり”を感じるきっかけになっていたとしたら、それだけでもこの訪問には大きな意味があったように思います。
この旅の先に広がるもの
1泊2日という短い時間ながら、飯綱高原での“まなびの旅”は、多くの気づきとつながりを生み出しました。
自然の中で心をひらき、人と出会い、問いを交わす時間。それは、「旅」と「学び」が本来持っている力を、改めて感じる時間でもありました。
私たちは今後も、サミットを全国各地で展開すると共に、さまざまな「まなびの旅」を企画・実行していく予定です。
この取り組みに興味を持った方、参加してみたい方、何か一緒にできそうだなと感じた方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
新たな“まなびの旅”を一緒につくっていきましょう!

